こんにちは、関乃漆です。
沖縄県で漆工房を営んでおり「rein to pencil」というハンドメイドルアーを製作販売しております。
そして私がrein。
超初心者のあなた達にもわかりやすいよう記事の進行をサポートしてあげるから今のうちに感謝しておくといいわ。
seriaです。
サポート…?君が関わると余計こんがらがりそうで嫌な予感しかしないんだけどなぁ。
さて、今回は『ハンドメイドルアーで思い通りの設計図と型紙を作る方法』です。
「設計図」と聞くとなんだか難しそうな感じがしますか?
確かに、設計図通りに製作されたルアーというのはどれも綺麗な曲線を描き寸分の狂いもないほど美しいものです。
でも案外、要点さえ押さえることができればあなたが思ってるよりもずっと簡単にそういったルアーが製作できたりするんですよ。
もちろんその『設計図』もです。
それでは今回はその方法を見ていきましょう。
曲線の計算方式が必要不可欠です。
まず結論としてはこんな感じになります。
曲線の計算方式とはいったいなんなのか?
それはどういった部分に必要なのか?
その辺の内容を詳しく見ていきましょう。
1. 曲線の計算方式とは
2. イメージを形にする
3. 明確な数値を決める
4. 数値から曲線を算出する
5. 設計図を作製する
ポイントはこの5つです。
それではひとつずつみていきましょう。
1. 曲線の計算方式とは
ハンドメイドルアーの製作において綺麗な設計図を作製するには、まずその大前提として曲線の計算方式を知らないといけません。
なるほど‼
でもうち算数とか苦手なんだよな~…
手順は多いけど計算自体は単純な数式の組み合わせだからあなたでもできるわ。


このように、【R(曲線値)、w(幅)、h(高さ)】になります。
そして計算式は、
【曲線値 = ((幅/2)×(幅/2))+(高さ×高さ)/(2×高さ)】
となります。ちょっと難しいですか?
それでは試しに、実際に計算して算出する過程に沿って見てみましょう。
例えば幅4cm、高さ1cmのルアーがあったとします。
まずはこれらを数式に当てはめてみますね。
((4/2)×(4/2))+(1×1)/(2×1)
カッコ内の計算を済ませてみます。
→((2)×(2))+(1)/(2)
さらにカッコ内の計算を進めます。
→(4)+(1)/(2)
足し算から済ませます。
→(5)/(2)
割ると、
→2.5cm
となります。
こういった感じで曲線は計算して算出することができます。
まずは簡単な数字から適当に当てはめてみて試算して計算に慣れておくのも良いですよ。
2. イメージを形にする
計算方式がわかったら次は設計図を作製する下準備をしていきましょう。
まずは自分のイメージしているルアーを実際に形にしていきます。
そういえば前々から頼まれていたクランクの製作、試しに始めてみようかな?
ああ、それいいわね。
ちょうどいい機会だから作ってみましょう♪

実際に書き出してみる
まずは適当でいいので実際に書き出してみましょう。
上記画像のように、今はまだ思った通りの簡単な感じでぜんぜん大丈夫ですよ。
3. 明確な数値を決める
イメージが書き出せたら次は明確な数値を決めていきましょう。
数値は好みの大きさでよく、それといって決まりはないのですが小数点はせめて0.5単位にするなど極力キレの良い数字にするとよいですよ。
じゃあ私は横幅は2.345cmにして~高さは1.5367cmで~
ねぇ。今の私の話ちゃんと聞いてた?

ヒートンの幅分やや余分に数値を設定する
設計に必要な数値は『縦幅、横幅、高さ』の3種類です。
それぞれにバランスを考えながら設定していきましょう。
ここで注意したいのは、ヒートンの幅分を後で余分な部分として切り落とすのでそれも計算に入れて少し余裕も持って数値を設定することです。
文章で説明するとちょっと難しいですね。
それでは簡単な図で見てみましょう。

左図のようにそのままの数値だとヒートン内に先端が出っ張ってしまって不格好なうえにルアー自体の耐久性も大幅に下がってしまいます。
そうならないよう右図のようにヒートンの幅分を削って加工するのですが、その分の横幅をやや長めに設定するということです。
具体的な数値としては前後のヒートン分を見積もって4mm程度余分にプラスすると良いですよ。
ではそれらも踏まえて。
私は今回は横幅3cm、縦幅1.5cm、高さ1.5cmで作製したいのですが、クランクベイトなのでヒートンは後方のみです。3mm余分に見積もって横幅は3.3cmで設定してみますね。
4. 数値から曲線を算出する
数値が決まったら、その値から曲線を算出していきましょう。
はぁ~、これひとつずつ計算するんでしょ?
めんどくさすぎてやぁーーだぁーーー
ああ、もう。
仕方ないな~
高さは半分になる
それでは曲線計算ファームを使って実際に計算してみましょう。
ここで特に注意しなければいけないのは、ルアーの曲線は『半円になる』ということです。
よくわからないですか?
ちょっと説明が難しいですよね。
では試しに私のルアーで進めながら見ていきましょう。
まず私の製作したいルアーの大きさの数値は横幅3cm、高さが1.5cmなのですが、製図は半円ずつ描いていくため高さの値を半分の0.75cmに設定します。
これは高さをそのままの1.5cmで設定して計算してしまうと、算出された値で実際に曲線を描くと1.5cmと1.5cmで3cmの高さのルアーになってしまうためです。
まだ、難しいですね。
まぁ要するに『高さは半分にする』で覚えててそのまま進めてもらえればそれといって支障はないので大丈夫ですよ。

そして算出された私のルアーの曲線値は
『2.19cm』
でした。
この場合、少数点は繰り上げて2.2cmでもいいかなと思います。
みなさんも少数が細かくなるようでしたら繰り上げても大丈夫ですよ。
5. 設計図を作製する
では、これで準備も整ったのでいよいよ設計図を作製していきたいと思います。
え、なにもう準備とかできているの!?
どうしようぜんぜん意味わかんないよ‼
そのままゆっくりと進めていけば大丈夫よ。
今回は難しい計算とか多かったからちょっとわかりづらかったねぇ~笑

設計図の製作
まずは大きめの厚紙を用意します。
なぜ厚紙が良いのかというと、設計図はそのまま型紙にもなりえますので厚紙のほうが耐久性的にも望ましいからです。
数値を書き入れていく
まず厚紙に十字線を引きます。
上記画像を参考に、十字線の中心を起点にして設定した数値を計りながら書き入れていきます。
曲線を描き入れていく
曲線の書き入れはコンパスを使用します。
上記画像を参考に、まずは算出した曲線値にコンパスを調整します。
調整ができたら線上に針を合わせて高さの上限から円を描き入れ、描き入れたら反対側も同じように描き入れていきます。

必要な情報を書き入れていく
後はリップや重りの位置など必要な情報を書き入れたら設計図の完成です。
できた設計図はそのまま切り取って型紙にもなるので何個か用意しておくとよいですよ。
6. まとめ
どうでしょう。
思った通りの設計図ができましたでしょうか?
この工程は複雑な計算が多くとても難しく感じがちですが、手順通りにしっかりやればそこまで難しくはなかったりします。
明確な設計図と型紙は作り続けるルアーが正確であり続けるだけでなく、あなたのルアーの信頼にも繋がりますのでこの工程はぜひマスターして素晴らしいルアー作りに役立てていただけると幸いです。
それでは今回はこの辺で。
関乃漆
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